第3回いすみ環境と文化のさと写真コンテスト 入賞作品

●概要

 「第3回いすみ環境と文化のさと写真コンテスト」には、232点のご応募をいただきました。ありがとうございます。作品の内容も、里山や里海の暮らし、自然風景、祭り、農作業、植物や動物を撮った自然の生態など多岐にわたり、どの作品も地域の環境や生活に根ざした素晴らしいものでした。また、センターでの行事風景を撮影していただいたものもありました。
 審査委員長山口秀輝氏 (日本写真作家協会会員、美しい房総を写す会会長)と審査員千葉県環境生活部自然保護課長、千葉県環境財団理事長)が厳正な目で審査した結果、今回点の入賞作品を決定しました。
 穏やかで多様な里山の自然、その中ではぐくまれている人々の生活・文化を肌で感じながら、これからも四季を通じてカメラにおさめていただければ幸いです。

                        平成26年2月 
                        写真コンテスト事務局

 ※2月16日審査委員長山口秀輝氏の選評を追加いたしました。
                                                                      




全部門
最優秀賞

<心を込めて>
三上 晃 
 この写真には生き物に対する畏敬の念が写っています。写らないはずの精神が写っています。低いアングルでとったことや光の位置が良いことなど技術的なことも要因だとは思いますが、撮影者の人間や生物に対する思いやりがこの瞬間にシャッターを押させたのだと思います。


さとの環境部門
優秀賞

<癒し列車中野行き>
中村 裕隆 
            さとの生活文化部門
優秀賞 

<喜びいっぱい成長祈願>
石橋 武
 手前のソバの花、電車の位置や色、房総ではあまり見ることのできない熱帯地方のような雲と空の色。絵に描いたらかえって嘘っぽくなってしまうような現実が記録されています。単なる鉄道写真を越えて、いすみの環境の素晴らしさが伝わってくる傑作です。    「さとの生活文化部門」にぴったりの作品です。題名のとおり、人々の成長祈願が、それぞれの笑顔に表れています。このお子さんが成人してこの写真を見たときに、地域の人々に支えられて自分は生きてきたんだということを実感するのではないでしょうか。
     
 特選
<命綱>
鈴木 富雄
   特選
<強そうだなあ>
松村 哲夫
 30年〜20年ほど前まで、選者もこのような接写を撮っていました。昆虫の瞬間的動きの中にその昆虫のおかれている環境や生きる力を記録しようとしていました。ニコンサロンで個展を開くときに作品を選ぶ基準として「繊細、余情、生命感」が現れているものを自分の特徴としようしていました。そして、水滴やクモの糸を活かそうとしていました。接写の時の自分の写真の撮り方にそっくりなので驚きました。それだけにこの写真を撮ることがどんなに難しいことかわかっています。   よってたかって力士に挑む子供たちの心意気、不安、面白さなどが、それぞれの背中に良く表れています。さとの行事として、定着していることも周りから伝わってきます。この行事のPR写真として印刷し、世の中に出していってほしい作品です。
                             

 特選
<紅葉の郷>
加藤 良正
   特選
<祭を盛り上げろ!!>
早野 由香
 粟又の滝を上の道路のカーブからねらうの定石の場所から撮っています。これまでこの位置からの写真を沢山見てきました。手前のカエデ以外に粟又の滝周辺は目立つ紅葉、黄葉はありません。一年のうちほんの一日、このように全てのバランスが整って全体が華やかになることがあります。よくこの瞬間をとらえました。撮れそうでとれない季節の瞬間の写真です。    秋の陽に照らされ、はじけている娘さんたちの青春が写し出されています。このような伝統行事があればこそ、娘さんたちもはじけることができるのです。見る人にこのような祭りがある地域はいいなと思わせる写真で、このコンテストにふさわしい一枚です。





 部門共通
いすみ市長賞

<レトロバスが行く>
熊切 正一郎 
部門共通
いすみ市観光協会長賞
<初夏の浜辺>
杉浦 茂 
部門共通
いすみ鉄道賞

<春を撮る>
坂倉 徹 
 単にレトロバスが走っているわけではありません。手前には植えたばかりの田んぼ、暖かくなり覆いをはがし始めたビニールハウス、その後ろに男の子が生まれたお祝いの鯉のぼり、さらに新芽が出始めた森。一枚の写真にいすみの季節と生活が写っていて、見る人に気持ち良く伝わってきます。そこで市長賞とさせていただきました。    満開のハマヒルガオ、満開の様子を撮影するのは意外に難しいものです。背景のサーファーの動きもいいですね。つい広角レンズでハマヒルガオに近寄って広がっている様子を出してしまいがちですが、あまり欲張らずにほぼ目で見た範囲を切り取っているのがこの写真の成功の元です。    写真の中のカメラ愛好家は、桜と鉄道と鉄橋をアップして撮っているのでしょう。鉄道写真としてはそれでOKです。一方この写真の撮り方は、田んぼや竹林まで入れて、このあたりの環境を写しています。そこに車両と鉄ちゃんカメラマン、この鉄道のある環境はこんなに人々に愛されてますという記録になっています。このコンテストにぴったりです。





部門共通 入選
<おねだり>
井上 久雄 
 サギの親が子どもを懸命に育てています。餌を欲しがっている子サギの表情がいいですね。サギたちに気づかれないようにこれからも丹念に記録してください。鳥を撮っている人で陥り易いのは、コンテストに入賞する率の高い捕食の瞬間ばかり狙ってしまうことです。食事に限らず、長い間記録を続け、生命の偉大さ、愛情の豊かさなどが表れる瞬間多くの人に見せてあげてください。
 
<一心同体>
中村 まつ代
 祭りの力強い男たちの良い瞬間が記録されています。一般の写真コンテストでしたら、手前の6人を画面いっぱいにして、さらに力のこもった瞬間にシャッターを切ります。観光的なコンテストでしたらこのくらいの広がりが良いでしょう。
 
<花のジュウタン>
吉野 壮六
 見事なハマヒルガオです。周囲の環境もわかります。これを幅50cm〜1mに伸ばしてプリントしたら、臨場感が出ることでしょう。このサイズのコンテストではもう一回りズームをアップして撮影されたほうがより広く、厚く写ります。広角を広げ過ぎたことで、手前の隙間が目立ちます。「広いところでは狭く撮る」ことを心がけてください。また、風景写真の撮影にはいつも脚立を持って行くようにしてください。30cmでも高いところから撮ると、下の地面がよりい広く奥まで広がりますので。
 
<牧草ロール>
波多野 保
 さりげない撮り方ですが、まず撮影位置が素晴らしいです。手前のロールの位置、後ろのロールをどのように重ねるか、離すのか、全て撮影位置で決まります。次はレンズの画角の問題、もっと広角を使うか、もう少しアップするのか、空と地上の配分は等々、選択するものがたくさんあります。
 
<大原はだか祭り>
鵜澤 巌
 大原のはだか祭汐ふみのシーンを説明調に切り取っています。減点すべきところがない写真ですが、これ以上加点するところもあまりありません。市役所の出すはだか祭のPR写真にはもってこいでしょう。しかし、もう沢山撮られているシーンです。それにこのコンテストでは、この祭りが里の生活に根付いていて、いすみに住む素晴らしさを記録してほしいという本音があります。それが表現されていれば加点となります。説明写真としては十分ですが残念です。




 部門共通
センター賞
 
<田植え@>
君塚 義美
センター施設での田植えの様子です。田植えの様子、センター施設、後ろの里山の様子など、先々センターのパンフレットに使えるうれしい写真です、というセンターの方々の声が聞こえてきそうです。こういう説明調の写真は実は撮れそうで難しいのです。お見事です。
<浜辺をピンクに染めて>
吉田 幸江
凄いハマヒルガオですが、残念ながら広角レンズを広げすぎました。「広いところでは狭いレンズ」を使うように心がけてください。それだけ、どこを切ってどこを中心にしていくかを現場で考える必要があります。うまくいくともっと狭い画角なのに、もっと沢山ハマヒルガオがあって、奥につながっていく感じが出せます。
  
<里山の春>
伴 博之
万木城址公園からの田園風景です。川沿いの木々、水田の中に屋敷林とともに点々とある家々、背景の里山。県内でもここにしかない情景です。

このページを閉じる