第2回いすみ環境と文化のさと写真コンテスト                  入賞作品一覧




●概要

「第2回いすみ環境と文化のさと写真コンテスト」には、208点の応募をいただきました。ありがとうございます。作品の内容も、里山や里海の暮らしと自然風景、祭りや農作業、植物・動物・昆虫などを撮った自然の生態など多岐にわたり、どの作品も地域の環境や生活に根ざした素晴らしいものでした。
 審査委員長山口秀輝氏(日本写真作家協会会員、美しい房総を写す会会長)と審査員(千葉県環境生活部自然保護課長、千葉県環境財団理事長)が厳正な目で審査した結果、今回19点の入賞作品を決定しました。今回の展示には各入賞作品題名と作者名とともに、審査委員長山口秀輝氏の選評をつけさせていただきました。
 穏やかで多様な夷隅地域の自然、その中ではぐくまれている人々の生活・文化を、肌で感じながら、これからも四季を通じてカメラにおさめていただければ幸いです。                    
                                           平成24年2月
                                           写真コンテスト事務局

                                                   



写真をクリックすると拡大表示されます。
こちらの画像は転載禁止です。
(IE 7.0で動作確認しています)



       ≪選評≫
       日本写真作家協会会員
       美しい房総を写す会会長
               山口 秀輝
       
全部門 

最優秀賞

 題名:春のいすみ鉄道
 氏名:君塚 義美 
  題名は「春のいすみ鉄道」となっていますが、鉄道車両を手で隠してみてください。
画面の美しさはあまり変わらないと思います。
そうです、ここには既に夷隅の春の美しさが凝縮されています。
完成された美しさの中の絶妙の位置に車両が記録され、瞬間性を感じさせくれているのです。 



さとの環境部門       
優秀賞

 題名:トンボ池
 氏名:牧元 晴美
 
   

トンボ沼の置かれている状況、撮影時の気象状況がよく分かります。
少しばかり白鳥が遠いのが残念ですが、派手な動作をしていない分、静かにゆっくりのトンボ沼の美しさを観賞することができます。

特選

 題名:産卵後、海に戻る
          アカウミガメ
 氏名:山口 誠二郎
 
  一枚の写真の中に、海から上がって産卵に行くウミガメの足跡、産卵後海に向かうウミガメ、その海の様子が見事におさめられています。
環境フォトコンテストにふさわしい写真です。
特選

 題名:スカシユリの咲く丘
 氏名:君塚 敏江 


 

  天然記念物になっているスカシユリの
群生地です。
回りに柵が設けられ、自由な位置か
らの撮影ができない場所ですが、後
ろの灯台の位置も良く、撮影時の苦
労が画面に出ています。 



さとの生活文化部門       
優秀賞

 題名:春の山里
 氏名:渡邉 一弘
 
  まるで長野県の山奥にある棚田のようです。
こういう場所が千葉県にもあるのですね。
まずその発見力に拍手です。
ツツジの位置、田植えする人のかかとの上がりぐあい、モヤのたれ込み具合、どれも絶妙です。
特選

 題名:田園を行く
 氏名:吉野 荘六
 
  ソバの花、後ろに刈り取られたばかりの田んぼ、そして購入されたばかりの新車両(実は旧い車両ですが)。
雲の形も良く、都合の良いものばかりを集めて描いた絵のようです。
 特選

 題名:童心にもどって
 氏名:神戸 一章


 

  何年かに一回堰の水を落とす「かいほり」(地元では「けっぽり」と発音していると思います)の様子。
魚や鰻を探す大人達のバランスと仕草が良いですね。
他の地域ではあまり見られない風習です。



部門共通 入選       
 題名:巣立ちのとき
 氏名:植松 良介
 
  よくもこんなにカエルがいたものです。
一見邪魔のような右手のアップされた葉っぱがあることで、単純な記録写真からスナップ的な瞬間性を感じさせる画面になっています。  
 題名:魅せられて
 氏名:並木 寿美子



 


   

早朝の光りの中で飛び立とうとする白鳥がみごとに記録されています。
芸術写真としてはもう少しアップを、環境写真としてはもう少し周囲の状況を。
どちらも若干弱いので上位に食い込めませんでした。
画題も芸術写真コンテストのようでこのコンテスト向きではありません。


 題名:夫唱婦随
 氏名:並木 正美
 
  最近の夷隅での田植えの様子が周囲の情景とともに記録されています。
残念なのは力の入った作業写真で終わってしまい、題名のいわんとしている長年の夫婦愛の描写まで至っていないことです。
男の人の目線が女性の方を向いた時の方が良かったのでは。
 
 題名:秋の田園風景
 氏名:杉浦 茂



 



  海が見えて、町並みが見えて、田園が見え、そこにS字の線路、このように見える場所があることを発見したのがすごいですね。
ただ、全ての加点ポイントが万遍なく均等に入りすぎているのが逆に欠点になってしまいました。
 題名:五月晴れ
 氏名:井上 すみ子
 
  里山の様子、そこに住む人の住居の様子、鯉のぼり、植えられたばかりの田んぼなど、加点要素が並んでいますが、人の動きの形が加点になりませんでした  



いすみ市長賞



 題名:初夏の浜辺
 氏名:池田 敏雄




  ハマヒルガオのスケールや、遠方の岬の位置、その下のはじける波など、構図とシャッターチャンスが良いのですが、動く人と犬の位置が中央すぎると思います。
もうほんの少し左にいるときにシャッターを切るともっと良くなると思います。
いすみ観光協会長賞



 題名:春の万木城の夕景
 氏名:野口 守義










   水田に水が張られ、そこに夕焼けが映っています。
なだらかな奥の山々、水田の中に屋敷林とともに入り込む住宅。
万木城跡公園展望台からの素晴らしい眺めをうまく切り取っています。
水田の中に作業する人々の影がバランス良くいくつもあると、さらに上位入賞したでしょう。
いすみ鉄道賞



 題名:里山の田植
 氏名:飯笹 知春








 


  山、車両、社、イチョウ、軽トラ、そこに田植えの人と歩くお婆さん(?)。
いろいろな魅力が止まって映ってしまっています。
いすみ鉄道の車両が若干ブレて映っていたら、もっと画面に動きが出て、単調さをぶち破ってくれた事でしょう。



部門共通 センター賞       
 題名:中根六社の祭り
         「親の日だ」T
 氏名:池嶋 清
 
  沢山の人が中央の人に目を向けた瞬間、会場の高まりが記録されています。
1m位の大きさにプリントしたら、この作品の良さが引き立ってきます。
B0版(B1の倍の大きさ)駅張りポスターにしたい写真です。
 題名:旅人
 氏名:波多野 保
 
  上の月を望遠で撮影して、ラクダ像の近くに合成する写真をコンテストや印刷物で何度か見ています。
これは夜明け前の上空に浮かぶ三日月、明星とラクダ像を合成ではなく撮影しています。
なかなかこのように美しく撮れるものではありません。
そのままポスターにしたい作品です。
 題名:ハロウィンの夜
 氏名:畠山 和雄
 
  月光、濃紺の空色、テントの様子、人の様子、カボチャの置かれた樹木の様子など、これらの露出がそろう時間はおそらく1分とないでしょう。
夕景写真の達人ではないかと思う作品です。
 題名:岬の朝一番
 氏名:伊藤 達夫
 
  洞窟の中からうまく日の出と釣り人を撮影しています。
残念なのは朝日の勢いがないことと人の動き(むしろ釣り竿の動き)がないことが、作品を弱くしてしまいました。

このページを閉じる